※ 番外編「ベンジーのなぜなに生物学」で思いついたけど即没になったネタ。
彼は優しいご主人様の世界が地球と同じようにアルファベットを使っていたとしたら。
***
図を示しながらベンジーは得々と語る。
「仮にエルフの遺伝子をE、ドワーフの遺伝子をD、人間の遺伝子をHとしましょう。図を見たら分かると思いますが、純血の人間と純血の亜人の間に子供が生まれた場合、その子供は両親の種族遺伝子をちょうど一つずつ受け継ぐ形になります」
ハーフエルフならHE、ハーフドワーフならHDだ。
「その子供同士の間に子供が生まれたと考えた場合、子供が引き継ぐ遺伝子が二番目の図です」
HH=可 人間
HD=可 ハーフドワーフ
HE=可 ハーフエルフ
ED=不可
記号を見ながらグレンは押し黙る。
「これは簡略図ですが、注目すべきは、種族としての特徴が片方のみ残るか、あるいは人間の遺伝子が出ない限りは子供ができない、亜人の両方の特徴を受け継ぐ子供はできないということです」
ベンジーは身を乗り出し、さらに熱弁をふるう。
――中略――
「つまりEDならば子供はできませんが、両親から受け継いだ遺伝子のどちらかがHであれば子供をもうけることは可能ということです!」
「……ベンジー下品」
「は?」
グレンの小さな呟きにベンジーは思わぬことを言われて眉をしかめた。
EDという医学用語はもちろんこの世界では存在しないし、さらに言えば日本で言うところのHは変態の頭文字をとった隠語の一種が元なので、当然異世界では通じない。
一人なんとなくベンジーの説明に複雑な心境に陥ったグレンだった。
+++++
没理由 → 下ネタだから。あとグレンの世界ではアルファベットは使ってません。